9月25日からの制度改正について

令和5年3月22日にアマチュア無線関係のおおきな法令改正がありました。体験運用、非常通信規定、家庭内リモート運用、移動しない局の電波防護指針等については即日発効しており、支部でもJE1ZRLや地方本部局等の体験運用の機会を設けるようにしました。フィールドミーティングではリモート運用の講演会も開催しています。9月25日からはいよいよ、新バンドプラン、免許状や各種申請の簡素化が発効します。

以下は9月25日以降の内容です。

新バンドプラン(簡易版リーフレット)
バンドプランは日々の運用に必要な情報ですのでぜひご覧下さい。区分が簡単になり「全電波形式」の範囲が増えています。結果的に電話で使用できる領域が増えたと感じます。CWについてはバンドごとの細かい範囲設定はなくなった半面、占用範囲は狭くなりました。昔のバンドプランに戻った感じですね。HFデジタルモードの国内外バンドすみわけは不要になります。(たとえばFT8 3573, 7074 kHzでJA-JAのQSOが可能になります。) 2m, 430でも、特にデータ・デジタル系の細かいバンド区分(専用的な区分)がなくなっています。これまでのWIRESやAPRS通信バンドでもFMで出られます。
【9/8 追記】JARL新バンドプランではVUデータ通信・VoIPバンドが指定されており、従来と変わりません。JARLバンドプランは長年の慣習や混乱回避のために設定されているもので、総務省でもその意義は認めています。OM各局はぜひ尊重してハムライフを楽しまれてください。
【9/21追記】R5/3/22告示(官報号外56号)で、H21告179 H27施行告示のバンドプラン注1(3,535-3,575kHz, 7,045-7,100kHz, 14,112-14,150kHz, 18,110-18,120kHz, 24,930-24,940 kHzにおける国内QSOでのデータ伝送の禁止)が削除されています。なお、7メガヘルツバンドのFT8(等狭帯域データ通信)の周波数帯について別途JARLの見解が従前より示されていますのでご参照ください。

免許状記載の新一括記号(リーフレット)
免許状記載の周波数・電波形式指定が簡素化されます。技適機種の増設・取替・撤去の場合は届出のみでよくなります。それ以外のリグ(旧・非技適機、200W超等)の変更申請・届出については従来通り「無線設備・工事設計書に関する手続き」が必要で、200W以下の場合にはJARD等の保証認定を受けることになります。周波数・電波形式についての免許状記載事項訂正がなくなりますので書類作成はすこし楽になります(工事設計書には記載は必要)。
・リグを買ってきて開封後すぐ運用できるというわけではなく、手続きは必要です。
包括免許になるわけではありません。簡素化という意味で電波形式等が包括的表現になったといえるものの、従免局免を別々に申請・取得すること、送信機1台づつ「登録」することは現状と同じです。
・「登録」した無線機(の登録時の周波数帯・電波形式・出力)しか使えません。たとえば、4AMの表記でも、免許されているのが144と 430のリグ1台であればそのリグしか使えませんし当然HF帯には出られません。

また、申請の簡素化によりFT8運用などの際の「付属装置(PC等)付加」については、技適機・非技適機問わず届出・申請が不要になります。FT8はもちろん、いわゆるF2 CW(F2A)やHF DVモードなども思い立ったら運用可能でFBです。
(J3E(SSB)送信機でF1D(FT8)を送ると電波形式が変わりますが大丈夫です。ただしマイク端子・アクセサリー端子など外部入力端子利用に限られますが、それが通常ですから格別気にする必要はないでしょう。ハンディ機の内臓マイクでデジタル音響をひろって送るのはNGです。)

これらの制度改正の第一義は、アマチュア無線を通じて若い世代に電波利用の楽しさを知ってもらうことにあります。本改正の恩恵に応えるべくJARL山梨でも引き続き努力してまいりますので、OM各局のご理解・ご協力・ご提案をお願いします。本稿ではOMさんがいちばん気になるであろう内容を絞って取り上げました。制度改正についての詳しくは、JARL NEWS春号、夏号JARLのまとめ記事総務省アマチュア無線関係サイトをご覧ください。